あの夜から、私は“視える”ようになった

ホラー

まだ5歳くらいだったかな。

私は、子どもの頃の記憶が割と残っている方です。

その年のクリスマス前、
曾祖母が亡くなりました。

田舎だったので、
お通夜もお葬式も自宅で行いました。

お通夜が終わったその夜。

私はいつも通り、
親やきょうだいと一緒に寝ていました。

しばらくすると、
なんとなく誰かの気配を感じました。

怖い。

でも、気になる。

恐る恐る、
ほんの少しだけ目を開けて、
半目のまま部屋の中を見てみました。

その日はクリスマスイブ。

子どもだった私は、

「もしかして、サンタさんかも……!」

なんて、少し期待もしていました。

でも――

そこにいたのは、
サンタさんではありませんでした。

豆電球の真下。

そこに、
正座をしたまま宙に浮いている
ひぃおばあちゃんがいました。

ベッドで寝ている私から
よく見える高さに浮かびながら、

豆電球のやわらかい光に照らされている
ひぃおばあちゃん。

不思議と、その姿は怖いというよりも
とても神々しく見えたのを覚えています。

私が物心ついた頃には、
ひぃおばあちゃんはもう目が見えていませんでした。

だから、いつも目を閉じていました。

その夜に現れたひぃおばあちゃんも、
やっぱり目は閉じたまま。

でも、
口元はほんの少し微笑んでいるように見えました。

あとから聞いた話では、

私が生まれた頃は、
ひぃおばあちゃんはまだ目が見えていて、

夜になると、
寝室まで私の様子をよく見に来てくれていたそうです。

だから今でも、ときどき思います。

あの夜も、

最後にひ孫たちの様子を
見に来てくれたのかな、と。

怖いはずの出来事なのに、
あの時のひぃおばあちゃんの姿だけは、
今でもどこか温かい記憶として残っています。

そして――

実は、この出来事をきっかけに、

私は「あるもの」が
視えるようになってしまいました。

その話は、また今度。

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